【家庭教師の視点】指示が通りにくい子どもに教えるときの段取りと言葉選び―「ちゃんと聞いてる?」じゃなく、「伝わる工夫」をしよう ―

発達障害
スポンサーリンク

はじめに「さっき言ったでしょ?」「どうして指示通りにできないの?」「話を聞いてなかったの?」こんな言葉を、つい子どもにぶつけたくなる場面…ありませんか?でも、実は子どもは「聞いていない」のではなく、「うまく理解できない」状態にあることがとても多いのです。特に発達障害グレーゾーンの子どもたちは、「指示が通らない」とされがちですが、それは単に伝え方が合っていないだけかもしれません。今回は、そんな子どもたちに教えるときの「段取り」と「言葉選び」の工夫についてご紹介します。なぜ、指示が通りにくくなるのか?

指示が通らない原因は、大きく次のように分かれます:

❶ 情報処理の負荷が大きい

→ 一度にたくさんのことを言われると、頭が整理しきれない。

❷ 言語での理解が苦手

→ 抽象的な表現や長い説明が理解しにくい。

❸ 不安や緊張で耳に入ってこない

→ 見た目は落ち着いていても、内面はパニック状態ということも。

❹ 興味・注意が別のことに向いている

→ 頭の中に“空白”ができていて、音としては聞こえても意味が入ってこない。

子どもが「聞いていない」のではなく、「理解しきれなかった」「処理が追いつかなかった」と考えるのがポイントです。

指示が通りやすくなる段取りと関わり方

1.指示は“一度に1つ”だけ

「教科書出して、ノート開いて、3ページやってね」
→ 多すぎて混乱!

「まず、教科書出そうか」
→ 1つずつ区切って指示しましょう。

さらに、「次どうするんだっけ?」と問いかけ形式にすると、理解が深まります。

2.動作で伝える/視覚情報を足す

口頭だけの指示は、すぐに流れていってしまうことも。
ジェスチャー・ホワイトボード・チェックリストを使うと、ぐんと伝わりやすくなります。

スポンサーリンク

例:

  • 「ここを見てね」と指差し
  • 今日やることを紙に書いて机に貼る
  • 「終わったら赤でチェック」方式

視覚サポートがあると、見通しが立ちやすくなり、安心感にもつながります。

3.“いつやるか”より“どれだけやるか”を明確に

「あと10分やろうね」よりも、
→ ✅「この1ページ終わったら休憩しよう」
の方が理解しやすい子も多いです。

時間より“やる量”で区切る方が納得しやすいタイプには特に有効です。

4.指示の前に“アイコンタクト+名前呼び”

ただ話し始めても、子どもが聞く準備ができていないことがあります。

「〇〇くん、今から大事なこと言うよ」
→ 少し間をおいて話す

目線が合ったら、ゆっくり・短く・はっきりと伝えましょう。

5.指示の「確認」をセットにする

言っただけでは終わりにしない!
必ず、「今なんて言ったか教えてくれる?」と確認を入れましょう。

これで、

  • 子どもが理解できたかどうか
  • どこがわかりにくかったか
    が見えてきます。

よく使える“伝わる言葉選び”のコツ

NGな言い方OKな言い方
ちゃんとして!今はイスに座ろう
勉強始めて教科書とノート出そう
なんでできないの?どこで困ったかな?
さっきも言ったでしょ忘れちゃったら大丈夫、もう一回言うね

抽象語や否定語はできるだけ避け、具体的で肯定的な言い方に置き換えてみましょう。

よくあるQ&A

Q:何回言っても動いてくれません…
→ 何回も伝えるより、“自分で確認できる仕組み”をつくるほうが効果的です(例:チェックリスト、ミッション表など)。

Q:親が言っても聞かないのに、先生の言うことは聞くのはなぜ?
→ 第三者の声は“新しい刺激”になりやすいからです。家庭でも「伝え方を変えてみる」だけで、反応が変わることもあります。

まとめ:「伝える」は技術。“届く形”に変える工夫を

指示が通らない子に対して、

「どうしてできないの?」ではなく、
「どう伝えたら届くだろう?」と発想を切り替えることが大切です。

ほんの少しの言い方や順番の工夫で、
子どもはぐんと理解しやすくなり、実行に移す力も高まります。

「伝わらない子」ではなく、「伝え方を選ぶ必要がある子」

そう受け止めたとき、子どもとの関係はきっとラクになります。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました