【家庭教師の視点】「ノートはこうじゃないと嫌!」にどう向き合う?― こだわり強めの子の“記録”サポート術 ―

発達障害
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はじめに「行をズレると最初からやり直す」「ペンの色が違うと機嫌が悪くなる」「ノートの使い方に“自分ルール”があって、修正できない」このような“ノートへの強いこだわり”に、戸惑っている家庭教師や保護者の方も多いのではないでしょうか。とくにASD(自閉スペクトラム症)や発達障害グレーゾーンの子どもたちは、「整っている」「思い通りになっている」ことが安心感と学習意欲につながっています。今回は、そんな“こだわり強め”の子どもたちと向き合うときのノート・記録の支援ポイントを、実践例とともにご紹介します。なぜ、そんなにノートにこだわるの?

「安心感」を求めている

→ ノートの配置や形式が自分の中で“正解”になっており、それが崩れると学習どころではなくなる。

「混乱・不安」を避けたい

→ 思い通りにいかない状況が、“間違い”や“不完全”と感じられてストレスになる。

「予測とズレた」ことに過敏

→ 行間・レイアウト・見出しの位置などが予定と違うと、集中が切れたり、感情的になったりすることも。

ノートへの強いこだわりは、「理解が深いから」でも「変わっているから」でもなく、構造化と見通しが欲しいという脳の特性のあらわれです。

“こだわり”とうまく付き合う記録サポート術5選

1.「こだわりを否定しない」がスタートライン

「そんな細かいこと気にしないの!」と否定するのは逆効果です。

むしろ、こう言ってみましょう:

  • 「そうしたい理由、教えてくれる?」
  • 「どこが変わると気持ち悪く感じる?」
  • 「どんなふうに書くと落ち着くの?」

“理解されている”と感じられることで、こだわりが少しずつ柔らぎやすくなります。

2.「自分ルール」を把握して、尊重しつつ活用する

本人の中にある“書き方のルール”を一緒に整理し、守れる範囲では尊重します。

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よくある「マイルール」の例:

  • ノートの1行目は使わない
  • 色分けルールが決まっている(例:見出しは青・用語は赤)
  • 書き始めの位置や余白の取り方が決まっている
  • 罫線でなく、方眼ノートしか使わない

ポイント:
「ノートの目的」より、「整ったノートがあること」で落ち着ける子もいます。

3.「複製OK」な仕組みを用意する(やり直し用・清書用)

一度ミスをすると最初からやり直したがる子には、“2回書くことを前提にする”方法がおすすめです。

実践例:

  • 授業は下書き用ノートで、あとで清書ノートにまとめる
  • あらかじめ“清書用のフォーマット”を印刷しておく
  • 「1回目は書きながら考える時間」「2回目はきれいに整える時間」と分けてあげる

「やり直したい」は自己否定ではなく、“整えたい欲求”の表れと理解することが大切です。

4.ノート以外の記録手段も選べるようにする

「書く」以外にも、自分なりに記録ができる方法を複数持たせると、気持ちが楽になります。

代替案:

  • タブレットやPCで打ち込み(レイアウトも自由)
  • 写真を撮る → 解説だけを録音しておく
  • マグネット・ホワイトボードなどで一時的に整理
  • カード形式で並べ替え(ノートでなくても論理的に考えられる)

デジタルや視覚ツールは、「こだわり」が逆に“創造性”として活かされることも。

5.学習の“目的”と“方法”を分けて説明する

「ノートを取るのは、先生に見せるためではない」
「完璧に書くことより、あとで思い出せることが大切だよ」

…など、“ノートの目的”を明確にしてあげる声かけが有効です。

声かけ例:

  • 「今日のノートは“考えるメモ”だから、きれいじゃなくてOK」
  • 「大事なのは、あとで見て“わかる”ことだよ」
  • 「あなたのやり方でOKだけど、ここだけ一緒に工夫してみようか」

自分の“こだわり”と“学習目的”の折り合いをつける体験が、次の成長につながります。

まとめ:こだわりを「学びの壁」ではなく「学びの入り口」にする

“ノートにこだわる”という行動の裏には、
・安心したい
・混乱を避けたい
・自分なりの世界を守りたい
という切実な思いがあることを忘れてはいけません。

大人が「その子のやり方」に理解を示し、「安心して書ける環境」を整えるだけで、学びの入り口は自然と開かれます。

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