【家庭教師の視点】書字障害(ディスグラフィア)の子にとって“書かない学習”とは?― 書けなくても、学べる方法はたくさんある ―

発達障害
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はじめに「漢字は覚えてるのに、書こうとすると思い出せない」「文章は言えるのに、ノートにまとめるとぐちゃぐちゃ」「黒板を写すだけで疲れてしまう」こうした悩みの背景にあるのが、書字障害(ディスグラフィア)という学びの特性です。本人のやる気や知識とは別に、「書く」という行為そのものが苦痛で、学習のハードルになってしまうことがあります。でも安心してください。今は「書かなくても学べる」方法がたくさんあります。今回は、書字に困難のある子どもたちが、無理なく学べる“書かない学習”の実践法をご紹介します。書字障害(ディスグラフィア)とは?

ディスグラフィア(書字障害)とは、知的発達や学習意欲に問題はないにもかかわらず、書くことが極端に苦手な特性です。

こんなサインがあれば、可能性があります:

  • 文字の形が整わない、バランスが崩れる
  • 書くスピードが極端に遅い
  • 誤字・脱字・鏡文字が多い
  • 書くことに強いストレスや疲労感を感じている
  • 音読や口頭では問題ないのに、筆記になるとつまずく

脳の中で「音」「意味」「文字の形」がスムーズにつながらず、書く動作に過剰なエネルギーが必要になってしまいます。

「書けない=学べない」ではない

実は、私たちが学ぶうえで「書く」ことは数ある方法の一つにすぎません。
書かなくても、インプットやアウトプットの手段を工夫すれば、学習は十分に可能です。

大切なのは、「その子に合った方法で“わかる・できる”を積み重ねること」。
それが、無力感や自己否定から守るカギになります。

書かない学習を支える3つの視点

1.“見る・聞く・話す”を活用したインプット法

書く代わりに、視覚・聴覚・口頭での記憶方法を強化しましょう。

例:

  • 漢字は「読みあげる+見る」だけで覚える
  • 歴史や理科は動画や図解資料で視覚化
  • 語句は「口で言う→耳で聞く→カードで見る」だけでOK
  • 黒板は写さず、写真で記録→口頭で確認

ポイント:
書く前に「理解」さえできていれば、十分な学習になっています。

2.“話す・動かす・選ぶ”でアウトプットを補う

書いて表現するのが難しい子には、「言葉で話す」「動作で示す」「選択肢を選ぶ」など、他の表現方法を使いましょう。

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例:

  • 音声入力アプリで「しゃべって記録」
  • 「〇 or ×」「選択肢から選ぶ」形式で答える
  • 絵カードや写真を並べて、因果関係を説明する
  • マグネットやパズル式で内容を組み立てる

「考えられるけど書けない」子に、“出す手段”を増やすことが最大の支援です。

3.ICT(デジタルツール)の活用で“書く負担”を減らす

今は便利な学習ツールがたくさんあります。
無理に紙に書かせるより、タブレットやアプリでの学習に切り替えるだけでストレスが激減することも。

おすすめツール例:

  • 音声入力機能(Google ドキュメント/iPadメモ)
  • 漢字学習アプリ(手書き入力でなくタッチ選択可)
  • 書かない英単語アプリ(聞いて選ぶ形式)
  • ゲーム型学習(Classi/NHK for Schoolなど)

ポイント:
「書けるようにする」より、「学び続けられる」ことを優先しましょう。

保護者・先生に知っておいてほしいこと

・書くことが苦手でも、それは「怠け」ではありません

・脳の働き方の“違い”であり、工夫すればカバーできます

・自信を失わないよう、「あなたには学ぶ力がある」と伝え続けてください

よくある声かけ・対応の例

状況NG対応OK対応
文字がぐちゃぐちゃ「もっと丁寧に書いて」「言葉で説明してくれる?」
漢字を覚えられない「何回書いたの?」「何回見た? 読めたらOKだよ」
ノートが白紙「ちゃんと書きなさい」「考えてたこと、口で聞かせて」

まとめ:その子にとって「学びやすい形」を見つけよう

書くことに困難がある子どもにとって、「学べている実感」が自信と前向きさの原動力になります。

その子の力がちゃんと発揮できる環境を、一緒につくっていきましょう。

書かない=ズルではない。
書けない=学べない、ではない。

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