はじめに
「上の子はスラスラ理解するのに、下の子は…」
「弟はコツコツ型だけど、姉はマイペースで心配」
そんなふうに、兄弟・姉妹の間に学力の差があるとき、ご家庭ではちょっとした緊張感が生まれがちです。
特に、親として「比べたくない」「同じように接しているつもり」でも、無意識の比較や言動が、子どもの自己肯定感に影響することもあります。
この記事では、家庭教師として実際に見聞きした事例をもとに、兄弟姉妹間の学力差が家庭に及ぼす影響と、親ができるサポート方法についてご紹介します。
どうして「兄弟間の学力差」が問題になるのか?
子ども同士が比べてしまう
- 「お姉ちゃんはいつも100点なのに…」
- 「どうせ僕はバカだから」
親が何も言わなくても、子どもは家庭内の雰囲気や親のちょっとした言葉から、「自分は下だ」と感じてしまうことがあります。
親の言動に無意識の“差”が出る
- 成績の良い子には「さすが!」、もう一方には「がんばろうね」
- テストの点数を見たときのリアクションが異なる
こうした差が繰り返されると、「自分はダメな子なんだ」と感じ、学習意欲や自己肯定感を下げてしまうリスクがあります。
家庭内での役割が固定されてしまう
- 「勉強が得意な兄」「手のかかる弟」
- 「優等生の妹」「自由奔放な兄」
家庭内での“ラベルづけ”が強化されると、本人もそのイメージに縛られ、自分の可能性を狭めてしまうことも。
実際にあったケース:姉妹の比較で自己否定に
ある中学2年生の女の子は、いつも成績上位の姉と比べられることに疲れ、こう言いました。
「私が何を頑張っても、姉の方がすごいって言われる」
親御さんに悪気はなかったものの、無意識の一言が娘さんにとってはプレッシャーになっていました。
家庭教師としては、「本人の努力を認める声かけ」「姉妹を別々に見る姿勢」を意識してもらい、少しずつ彼女の表情が明るくなっていきました。
家庭でできる対処法と心がけ
① 絶対に“比べる言葉”は使わない
NG例:
- 「お兄ちゃんはできたのに、なんであなたは…?」
- 「○○ちゃんはコツコツできるのに」
→ OK例:
- 「あなたなりにここを頑張ってるね」
- 「前より計算が早くなったね」
“他人比較”ではなく“過去の自分との比較”で声をかけましょう。
② 一人ひとりに「別々の期待」を持つ
兄弟姉妹でも、性格も得意不得意も違います。
全員に“同じ基準”を求めるのではなく、その子らしさを認めて伸ばすことが大切です。
③ 「努力」や「過程」を評価する習慣を
結果だけでなく、
- 自分で机に向かった
- 間違い直しをやった
- 分からないところを質問できた
…など、プロセスの成長に注目しましょう。
④ 個別に過ごす時間を作る
兄弟がいると、ついまとめて対応しがちですが、時には1対1の時間を設けてあげましょう。
→ 「ちゃんと見てもらえている」と子どもが感じられるようになります。
⑤ 家庭教師など“外部の目”を活用する
「兄弟の差を家庭でうまく扱えない」と感じたら、第三者の視点(家庭教師・塾講師など)を入れることで、子どもの個性に合った関わり方が見えてくることがあります。
まとめ|兄弟姉妹は「競争」より「共存」を
学力に差があるのは、能力差ではなく発達段階や学び方の違いが原因であることが多いものです。
だからこそ、家庭の中では「比較」ではなく「尊重」がキーワードになります。
それぞれの子に「自分は大切にされている」「ちゃんと見てもらえている」と感じてもらうことが、学力だけでなく、心の土台を育てる第一歩です。

