はじめに
「うちの子、最近やる気がなくて…」
「少し注意しただけなのに、すぐ落ち込んでしまう」
――そんな様子に心当たりはありませんか?
もしかするとそれは、親の期待がプレッシャーとして伝わってしまっているサインかもしれません。
子どものためを思ってかけた言葉が、逆に子どもを追い詰めている。
この“すれ違い”は、多くのご家庭で起こり得る問題です。
この記事では、家庭教師の立場から「期待とプレッシャーの境界線」について考え、親子で前向きに向き合うためのヒントをご紹介します。
「期待」が「プレッシャー」に変わる瞬間とは?
親として「頑張ってほしい」「できる子だと信じている」という気持ちはとても自然なものです。
しかし、その期待のかけ方や伝え方によっては、子どもはこう受け取ってしまいます。
- 「失敗してはいけない」
- 「もっとやらないと、親をがっかりさせてしまう」
- 「期待に応えられない自分はダメなんだ」
こうして、応援のつもりの言葉が“重荷”に変わることがあります。
子どもに見られる「プレッシャーのサイン」
親の期待が負担になっている子どもには、以下のような変化が見られることがあります。
よく見られるサイン
・勉強や受験の話になると顔が曇る
・頑張っているのに「まだまだ」と自己評価が低い
・ケアレスミスを極端に気にする・怒る
・「どうせ無理」「向いてない」と言うことが増える
・学校や家庭で感情の起伏が激しくなる
特に、まじめで感受性が強い子ほどプレッシャーに敏感です。
実際にあったケース:中3男子の例
ある中3の男の子は、模試の結果が思わしくなかった時、ぽつりとこう言いました。
「家に帰りたくない。親がまたがっかりするのがわかってるから」
ご両親は「頑張ってほしい」と応援していたつもりでしたが、本人には「怒られる」「期待に応えなきゃ」としか聞こえていなかったのです。
家庭教師として、まずは子どもの気持ちを受け止めることから始め、保護者とも共有して、声のかけ方を少し変えてもらったところ、徐々に子どもの表情が和らぎ、勉強にも前向きになりました。
プレッシャーを和らげるためにできること
① 成績より「プロセス」を認める
例)
- 「ちゃんと計画立てて取り組んでいるね」
- 「間違い直しを自分からやったの、偉いね」
→ 点数以外の“努力の質”に目を向けることで、安心感を与えます。
② 「期待してる」より「応援してる」と伝える
「あなたならできると思う」よりも
「どんな結果でも、あなたの味方だよ」
というメッセージの方が、プレッシャーではなく安心感につながります。
③ 子どもが“話せる空気”を作る
勉強や成績に関する話題は、親から一方的に始めず、子どもが話し出すのを待つ姿勢も大切です。
「最近どう?困ってることある?」と、評価でなく共感から入るだけでも、子どもは心を開きやすくなります。
④ 親自身も「余白」を持つ
つい子どもの将来が心配で、口出しや管理が増えてしまうときは、自分自身の“安心の拠り所”が子どもになっていないか振り返ってみましょう。
親が“ちょっと手を放せる心”を持つことで、子どもも伸びやすくなります。
まとめ|“期待”は、信頼のかたちで伝えよう
親の期待は、子どもにとって大きな力にも、大きな重荷にもなり得ます。
大切なのは、「○○してほしい」ではなく、「どんなあなたでも大丈夫だよ」と伝えること。
家庭教師として関わる中でも、親御さんの関わり方が変わるだけで、子どもの表情や学習態度が一変することを何度も見てきました。
焦る気持ちをぐっとこらえ、「この子はこの子のペースで大丈夫」と信じてあげられること――それが、子どもにとって何より心強い“支え”になります。

