- はじめに「家では普通に話すのに、学校や先生の前では一言も話せない」「授業中、当てられても黙ったままで“無視された”と誤解される」「“答えはわかってる”のに声が出せない――もどかしさと悔しさでいっぱい」これらは、場面緘黙(ばめんかんもく)という状態にある子どもたちによくあるエピソードです。本人の中に「話したい」という気持ちがあっても、特定の状況で極度の緊張や不安から“声が出せなくなる”のがこの状態の特徴です。そんな子どもたちにとって、学校のような集団ではなく、一対一で寄り添える家庭教師という存在は、まさに「安心して表現できる小さな居場所」となり得ます。場面緘黙とは?
- なぜ家庭教師が有効なのか?
- 寄り添いの実践ポイント5つ
- まとめ:声が出なくても、伝えたいことはある
はじめに「家では普通に話すのに、学校や先生の前では一言も話せない」「授業中、当てられても黙ったままで“無視された”と誤解される」「“答えはわかってる”のに声が出せない――もどかしさと悔しさでいっぱい」これらは、場面緘黙(ばめんかんもく)という状態にある子どもたちによくあるエピソードです。本人の中に「話したい」という気持ちがあっても、特定の状況で極度の緊張や不安から“声が出せなくなる”のがこの状態の特徴です。そんな子どもたちにとって、学校のような集団ではなく、一対一で寄り添える家庭教師という存在は、まさに「安心して表現できる小さな居場所」となり得ます。場面緘黙とは?
場面緘黙は、発達障害や言語障害とは別の“不安症の一種”とされています。
- 家庭では話せるが、学校や教室では沈黙
- 緊張や恐怖から身体が固まる
- 返事ができない、目を合わせられない
- 「話さなきゃ」と思っても、どうしても声が出ない
これは“頑張っていない”のではなく、脳と身体が防衛反応として声を止めている状態です。
なぜ家庭教師が有効なのか?
家庭教師という存在が、場面緘黙の子にとって心強い支えになれる理由は、主に以下の3点です。
1. 一対一の安心感がある
誰かに見られている/他人が多いという“場面の圧”がないことで、子どもが「安心して沈黙できる」環境が作れます。
話せるようになるためには、まず「話せなくても大丈夫」と思えることが第一歩。
2. “声を出す”以外の方法で学べる
家庭教師はその子の状態に合わせて、
- 指差しやカードでの回答
- ジェスチャーや表情での理解チェック
- 筆談やチャット形式でのやり取り
…など、柔軟な学習スタイルが可能です。
声を出せなくても、「わかっている」「伝えたい」という思いは必ずあります。
その“出し方”を一緒に探せるのが家庭教師の強みです。
3. 同じ人が継続的に関わることで信頼関係が築ける
緘黙の子にとって、「誰と学ぶか」は非常に重要です。
同じ家庭教師が継続して関わることで、徐々に表情や反応が増え、やがて「目を合わせる」「うなずく」「声が漏れる」…と、少しずつ変化が見えてきます。
進展のスピードには個人差がありますが、「毎回同じ人が待っていてくれる」ことが、心の支えになります。
寄り添いの実践ポイント5つ
① 話すことを“目的”にしない
「今日こそ話してほしい」と期待がにじむと、逆に緊張が高まります。
→ 「声が出なくてもOK」「聞いてくれてるだけで十分」と伝え続けましょう。
② 反応の小さなサインも見逃さない
目線、まばたき、指先、息遣い――
どんな小さな反応も“意思表示”として大切に受け止めることが信頼につながります。
③ “言葉以外”のコミュニケーション手段を活かす
絵カード、ホワイトボード、LINE風チャットアプリ、YES/NOカードなど、声に代わる表現手段を一緒に試してみましょう。
④ 「できた」に注目して言葉をかける
声が出ないことに注目せず、
・取り組めた
・資料を見られた
・手を動かせた
など、本人の行動に価値を見出す声かけが、自信の芽を育てます。
⑤ 保護者と連携し、過度な期待・圧力がかからないようにする
保護者が「いつになったら話すのか」と焦ってしまうこともあります。
→ ご家庭との橋渡し役として、「話すことより、安心感の積み重ねが大切」という視点を共有していくことも、家庭教師の大切な役割です。
まとめ:声が出なくても、伝えたいことはある
場面緘黙の子どもたちは、「話さない子」ではありません。
「今は、声という手段が使えないだけ」なのです。
家庭教師としてできることは、
無理に話させることではなく、
声が出せなくても一緒に学べる時間を大切にし、
「伝えていい」「安心していい」環境を整えること。
それこそが、子どもの“声なき声”を引き出す、最も確かなアプローチなのだと思います。
