【家庭教師の視点】「家庭教師だからできる」場面緘黙の子への寄り添い方とは?― “声にならない気持ち”を信じて、ともに歩む ―

場面緘黙
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はじめに「家では普通に話すのに、学校や先生の前では一言も話せない」「授業中、当てられても黙ったままで“無視された”と誤解される」「“答えはわかってる”のに声が出せない――もどかしさと悔しさでいっぱい」これらは、場面緘黙(ばめんかんもく)という状態にある子どもたちによくあるエピソードです。本人の中に「話したい」という気持ちがあっても、特定の状況で極度の緊張や不安から“声が出せなくなる”のがこの状態の特徴です。そんな子どもたちにとって、学校のような集団ではなく、一対一で寄り添える家庭教師という存在は、まさに「安心して表現できる小さな居場所」となり得ます。場面緘黙とは?

場面緘黙は、発達障害や言語障害とは別の不安症の一種とされています。

  • 家庭では話せるが、学校や教室では沈黙
  • 緊張や恐怖から身体が固まる
  • 返事ができない、目を合わせられない
  • 「話さなきゃ」と思っても、どうしても声が出ない

これは“頑張っていない”のではなく、脳と身体が防衛反応として声を止めている状態です。

なぜ家庭教師が有効なのか?

家庭教師という存在が、場面緘黙の子にとって心強い支えになれる理由は、主に以下の3点です。

1. 一対一の安心感がある

誰かに見られている/他人が多いという“場面の圧”がないことで、子どもが「安心して沈黙できる」環境が作れます。

話せるようになるためには、まず「話せなくても大丈夫」と思えることが第一歩。

2. “声を出す”以外の方法で学べる

家庭教師はその子の状態に合わせて、

  • 指差しやカードでの回答
  • ジェスチャーや表情での理解チェック
  • 筆談やチャット形式でのやり取り
    …など、柔軟な学習スタイルが可能です。

声を出せなくても、「わかっている」「伝えたい」という思いは必ずあります。
その“出し方”を一緒に探せるのが家庭教師の強みです。

3. 同じ人が継続的に関わることで信頼関係が築ける

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緘黙の子にとって、「誰と学ぶか」は非常に重要です。
同じ家庭教師が継続して関わることで、徐々に表情や反応が増え、やがて「目を合わせる」「うなずく」「声が漏れる」…と、少しずつ変化が見えてきます。

進展のスピードには個人差がありますが、「毎回同じ人が待っていてくれる」ことが、心の支えになります。

寄り添いの実践ポイント5つ

① 話すことを“目的”にしない

「今日こそ話してほしい」と期待がにじむと、逆に緊張が高まります。

→ 「声が出なくてもOK」「聞いてくれてるだけで十分」と伝え続けましょう。

② 反応の小さなサインも見逃さない

目線、まばたき、指先、息遣い――
どんな小さな反応も“意思表示”として大切に受け止めることが信頼につながります。

③ “言葉以外”のコミュニケーション手段を活かす

絵カード、ホワイトボード、LINE風チャットアプリ、YES/NOカードなど、声に代わる表現手段を一緒に試してみましょう。

④ 「できた」に注目して言葉をかける

声が出ないことに注目せず、

・取り組めた
・資料を見られた
・手を動かせた
など、本人の行動に価値を見出す声かけが、自信の芽を育てます。

⑤ 保護者と連携し、過度な期待・圧力がかからないようにする

保護者が「いつになったら話すのか」と焦ってしまうこともあります。

→ ご家庭との橋渡し役として、「話すことより、安心感の積み重ねが大切」という視点を共有していくことも、家庭教師の大切な役割です。

まとめ:声が出なくても、伝えたいことはある

場面緘黙の子どもたちは、「話さない子」ではありません。
「今は、声という手段が使えないだけ」なのです。

家庭教師としてできることは、
無理に話させることではなく、
声が出せなくても一緒に学べる時間を大切にし、
「伝えていい」「安心していい」環境を整えること。

それこそが、子どもの“声なき声”を引き出す、最も確かなアプローチなのだと思います。

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