はじめに不登校の子どもが、ある日こう言いました。「学校、ちょっと行ってみようかな」保護者の方も家庭教師の私も、思わず胸が熱くなりました。それは、焦らずに寄り添い続けてきた時間の中で、子どもが少しずつ「自分のペースで前を向いた」ことの証です。でも――ここからが“再スタート”。慎重に、一歩ずつ、確実にサポートする必要があります。本記事では、子どもが「学校に戻れそう」と感じ始めたときに、家庭教師ができる具体的なサポートをご紹介します。「戻れるかも」は、ゴールではなく“入り口”
不登校の子が学校への気持ちを少しでも取り戻したとき、
大人がやりがちなのはこんな反応です。
- 「よし、じゃあ明日から行こう!」
- 「復帰したら授業にすぐ追いつかないと」
- 「頑張って全部出席しようね」
…ですが、子どもにとってその“気持ちの芽”は、
ふとした不安やプレッシャーでしぼんでしまうほど繊細なものです。
「戻れそう」=「今すぐ毎日通える」ではありません。
だからこそ、家庭教師の役割は、
“加速”ではなく“着地のクッション”になることなのです。
家庭教師ができる5つのサポート
1.「学校に戻る=すごいこと」だと伝える
本人にとっては、とても勇気のいる一歩。
「行こうと思えたこと自体がすごい」
「戻るかどうかじゃなくて、気持ちが動いたことが嬉しい」
そんな声かけが、自己肯定感を支えます。
2.段階的な復帰スケジュールを一緒に考える
たとえば…
- 最初は保健室登校や授業の一部だけ
- 放課後の面談だけ参加
- 週1回だけ顔を出す など
無理のない“行きやすいプラン”を家庭教師と一緒に考えることで、
本人も安心して動き出せます。
3.「学習のブランク」への不安をやわらげる
「授業がわからなかったらどうしよう」
「ついていけなかったら恥ずかしい」
…多くの子どもがこの不安を抱えます。
そこで家庭教師は、以下のようにサポートできます:
- 学校で扱う内容の事前プチ予習
- 苦手単元のピンポイント復習
- 授業の“つかみ”になる知識や話題を提供
ポイント:「少しわかる状態」で授業に入れると安心感が大きく違います。
4.“再登校後”のメンタルを支える準備
復帰できたからといって、それが“完全回復”とは限りません。
むしろ、
- クラスでの距離感
- 先生や友達の反応
- 自分だけ取り残された感覚
…など、復帰後のほうがしんどくなることも多いのです。
家庭教師は、“外の世界とつながる安心な居場所”として、
週1回でも子どもと話せる時間を持ち続けることが大きな支えになります。
5.保護者と連携しながら“焦り”を抑える
親御さんの喜びは本物です。けれど、
- 「この機会を逃したらもう行けないかも」
- 「どうにかして普通に戻ってほしい」
という焦りから、子どもに強いプレッシャーをかけてしまうことも。
家庭教師は第三者だからこそ、保護者にもやわらかく伝えられます。
「今のペースを尊重してあげましょう」
「“行ける日”が増えればOKです」
家庭全体が安心して子どもを見守れる環境をつくることも、家庭教師の大事な役割です。
まとめ:戻ることよりも「また一歩、前に進めたこと」を大切に
不登校の子が「学校に戻れそう」と思えるようになるまでには、
たくさんの葛藤と、たくさんの小さな勇気がありました。
そしてその一歩は、
完璧じゃなくていい。毎日じゃなくてもいい。
「やってみようかな」と思えた、その気持ちこそが“回復”のサイン。
家庭教師は、そんな揺れる気持ちに寄り添い続けることが役割です。
戻れた・戻れなかったで一喜一憂するのではなく、
「その子らしく、自分のリズムで前を向けるように」
そっと、根っこを支える存在でありたいですね。

